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 投稿者:美々庵  投稿日:2013年 6月16日(日)01時55分34秒
  訂正させて下さい。

9位「ある書店員の告白」→「書店員ミチルの身の上話」

失礼いたしました。
 
 

1月期ベスト

 投稿者:美々庵  投稿日:2013年 6月16日(日)01時49分29秒
  すみません、間に合いませんでしたが、一応投票させて下さい。
順位に影響はないと思います。

1位「泣くな、はらちゃん」
もしかしたら、この世界も、誰かが描いているマンガなのかも・・・。
閉塞感、自己否定感にとらわれがちな今に、いまだかつてない形で穴をあけ、
風通しをよくしてくれた大人のファンタジー。
ばかなのかりこうなのかわからない、はらちゃんのキャラクターも、
越前さんとのプラトニックな愛も、それを取り巻く人々も、よくぞ、という
ギリギリのところでバランスを保っていた。
この枠にたまに漂う、哲学的な感じ、きらいじゃないです。

2位「まほろ駅前番外地」
昔から大好物な男性のバディもの。
彼らにからむ、女性の健気さを魅力的に描こうとする脚本と演出。
第2話の川村ゆきえがなんともかわいかった。
加藤賢宗、宮下順子、滝田裕介などのキャスティングもたまらない。
瑛太と松田龍平がエレベーターの中でボコボコにされ、倒れた松田龍平の足に
ドアが引っかかって開閉を繰り返すところ、「インファナル・アフェア」の
名シーンを思い出し、二ヤリとしてしまった。

3位「夜行観覧車」
今期、最も次回が気になったドラマ。
そもそも分不相応な家を建てた鈴木京香が悪い、と腹が立った。
それなのに娘がいくら反抗しても、ガタイのいい京香様の敵ではない。
もうちょっとで前代未聞のからあげ殺人事件になるところだった。
「高校入試」もそうでしたが、湊かなえ作品というのは群像劇なのでしょうか。
誰が正義でもなく、真の悪役もいない。
吉田里琴ちゃんが美少女に成長していて、よかった。いじめっこだけど。

4位「最高の離婚」
主要キャラ全員イラッとする人たちでしたが、特に瑛太のちょっとヘンだけど
笑える、でも一緒に暮したら鬱陶しいだろうなあというキャラクター表現が秀逸。
今ドキだと、ナントカ障害とか、ADHDとか言われそうなこだわりを持ち、
本人も生きにくさを感じつつ、でも時々舞い上がったり、また落ち込んだりしながら
日々を送っている、でもそれが人生、そこにドラマが宿っているのではと思った。
他人だけど他人じゃない、結婚の不自然な自然さが伝わってきた。
瑛太がカラオケでジュリーの「君をのせて」を歌うところに胸キュン。

5位「とんび」
NHK版のイメージさめやらぬ内に連続ドラマ化、という芸のなさに見る気を
削がれていたのですが、周囲の評判がよかったので追っかけ見を。
そしたら脚本が細やかで、しみじみ感が増していました。
バカっぽさは堤真一の方が上かと思いますが(ほめてます)、経年変化は
内野聖陽が見せました。
ただ、NHKの方言のぬくもりは捨てがたく、TBSはその点、軽い感じがしました。

6位「おトメさん」
黒木瞳のお姑さんが高田敏江さんだったのに喜び♪
子供の頃、お母さんといえば高田さんのイメージでした。
一方通行なコミュニケーションしかなかった姑と黒木瞳の時代から、
黒木瞳と相武紗希の双方向で言い合い、落とし所を求める関係性を
これからの在り方として示唆していました。
でも、もう少し深みのある映像・演出がほしかった。何か平面的で・・・。
鈴木砂羽と富士真奈美の嫁姑との対比といい、後半のサスペンス的展開といい、
もっと面白く撮れる脚本だと思われ、残念でした。

7位「いつか陽のあたる場所で」
罪を償って刑務所を出た後の人生の重さを知る方が、刑務所に入ること自体より
ずっと犯罪の抑止力になるのではないかと考えさせられた。
上戸彩の役が、他人や特に母親との関係を見つめ直し、自分の言うべきことを
言えるようになろうと努力する、その気持ちはどこから起こってきたのかを
もっとくわしく知りたかった。
そういった、過去の見直し、カウンセリング等が再犯防止の大きな力になるのでは
ないだろうか。

8位「ビブリア古書堂の事件手帖」
原作を知らないので、剛力さんの古書店主役は思ったより落ち着きがあって
よかったと思った。あんなに広汎な知識と深い洞察力があるキャラにあの若さは
似合わないけれど・・・。
ジェシー以外、特に見たい俳優がいるわけでもないのに見てしまったのは、
本にまつわるエピソード、本に憑かれた人間たちそのものが面白く、
安易な殺人や突飛すぎる謎解きでしらけることもなかったから。
ただ、お母さん(安田成美)の話は引っ張り過ぎでは?

9位「ある書店員の告白」
近頃珍しい「奇妙な味」のドラマ。
キャストは豪華。もうひとつブラックな掘り下げがほしかった。
前半、なめきった生き方の主人公に感情移入できなかった。
後半は主人公の変さを上回る周囲のキャラの奇怪さにじぇじぇ?!
寺島咲は不気味だったし、高良くんがサイコパスなのもいい線いってたのに、
終盤は消化不良。
最後の、高良くんと大森南朋の対決を手紙で済ましちゃうって・・・エコ?
なにかもったいない感が漂うドラマだった。

10位「ラストホープ」
相葉くんが医者って、ありえない・・・と思ったが、意外とありだった。
町医者という設定がうまい。フツーのいい人=相葉くんにピッタリ。
草なぎ剛だとフツーを突き抜けてしまい、ほとんど変人になるが、相葉くんは
そのへんフワッとしていた。
今度、シェフとかやってほしい。ちょっと川端シェフに似てる気がするし。
他の個性豊かな先生たちの過去が交錯していく話法がなかなか凝っていたが、
見ているこっちはついてくのが大変だった。

11位「シェアハウスの恋人」
ほのぼのとしたコメディの線を狙ったのだろうが、あんまり起伏がないというか、
淡々としていた。
笑うところなのにただスベッているだけなのか、わざとオフビートな雰囲気に
したいのか、よくわからないところが多々。
珍しく気弱な水川あさみはかわいかったが、見た目、声の感じなどがどちらかといえば
陰なので、ヒロインにはちょっと弱い気がした。

12位「サキ」
前の「サキ」の前日譚だったのね。稀代のシリアルキラーなのに、仲間由紀恵の
芸風がマイルドなのであまり怖さはなかった。
高級食材を食べても、エロさもエグさも感じない。壇蜜なら感じたかも(笑)
復讐法も、そんなにうまくいけば世話ないわ、とツッコミながら見てました。
破滅させられる側に演技力のある俳優を持ってきたのもむべなるかな。
パート3があるとすれば、何であんなにお金があるのか(いいところに住めるのか)、
その謎をとくところだろうなあ。何かやってますよね。

13位「純と愛」
大阪のホテルが舞台の頃は、ホテル内の人々のキャラ(吉田羊など)がしっかりとあり、
ちゃんと見てたんですが、だんだんと興味が持てなくなっていきました。
誰かが憤り→部屋に立てこもり→それを純がなんやかんやして→出てくる、の
繰り返しなのでは?と思ったあたりから。
もっとも大きな問題だと思った武田鉄矢扮する父との確執も、なにかうやむやで、
(私が見落としているのかも、ですが)結局、テレビ東京の「世界の料理ショー」を
見てしまいました。
ラストで純が、人事不省になった愛を看病するのも、究極の引きこもりが解けるのを
待つ・・・という、同じテーマに思えました。

主演男優賞 瑛太「最高の離婚」「まほろ駅前番外地」
「最高の離婚」は瑛太じゃないみたいだったし、「まほろ・・・」はカッコよかった。

助演男優賞 高橋昌也「極北ラプソディ」
「人は昔、病院では死ななかった」という長いモノローグが、沁みました。

助演女優賞 浅田美代子「ある書店員の告白」
生活感があってビックリ&感心しました。

主題歌賞 『ビューティフルドリーマー』フラワーカンパニー「まほろ駅前番外地」
     『VOICE』AI「夜行観覧車」

挿入歌賞 『私の世界』かもめ児童合唱団「泣くな、はらちゃん」
 

おつかれさまでした

 投稿者:練馬  投稿日:2013年 6月16日(日)01時27分16秒
  やはり『はらちゃん』が圧勝でしたか。
脚本の岡田惠和さん、前年の『最後から二番目の恋』に引き続き好調ですね。もしかしたら、二年連続で年間ベストテン一位になったりして。

他の作品では、似たような題材だった『夜行観覧車』が入っていて、井上由美子脚本の『おトメさん』がないのが意外でした。
 

2013年1月期ベスト5集計結果です。

 投稿者:ページ作者  投稿日:2013年 6月15日(土)23時51分52秒
   皆様、投票ありがとうございました。
 ベスト5投票の集計結果を以下のページに発表しております。

http://www.tvdrama-db.com/best10result/p/id-47

 くわしくは上記ページをご高覧いただくとしまして集計結果をザッと並べてみましょう。

1位 泣くな、はらちゃん(日テレ)107ポイント
2位 最高の離婚(フジ)61
3位 まほろ駅前番外地(テレ東)53
3位 dinner(フジ)53
5位 ラジオ(NHK)43
------------------------------------------------------------
以下選外

6位 メイドインジャパン(NHK)33
7位 ミエリーノ柏木(テレ東)32
8位 書店員ミチルの身の上話(NHK)23
9位 純と愛(NHK)21
10位 夜行観覧車(TBS)17

 さていかがだったでしょうか。

 1月期はなんといっても『泣くな、はらちゃん』でした。これは本ベスト5の投票にも反映されていて他の作品を大きく引き離しての1位でした。
 続く2位は混沌としておりました。投票システム側の順位では『dinner』が2位でして、そこに掲示板の投票を加算していく中で、ようやくラストの法水さまの投票で『最高の離婚』が2位にアップして滑り込むという結果でした。掲示板などでは『最高の離婚』が結構、人気を集めているような印象だったのですが、実際の投票ではかろうじでの2位、という感じだったのがちょっと意外でした。案外票が伸びなかった印象です。

 ともあれ皆様投票ありがとうございました。

 さて、しばしの間をおいて引き続き、2012年度の年間ベストテンの募集を他の掲示板にて開始します。かなり遅れての開始となりますが皆様、ぜひご投票をお願い申し上げます。

http://www.tvdrama-db.com/best10result/p/id-47

 

1月期ベスト5

 投稿者:法水  投稿日:2013年 5月14日(火)23時43分46秒
  久々に投稿します。

1位『泣くな、はらちゃん』
 岡田惠和さんはじめとする作り手たちの創造者としての矜持を感じました。
 キャストも言うことなし。
2位『ラジオ』
 ラジオから流れる楽曲がブツッと途切れるエンディングが印象的。
 そのシーンでの刈谷友衣子さんの表情も抜群だった。
3位『最高の離婚』
 とにかくかけあいの楽しさ。
4位『まほろ駅前番外地』
 『探偵!ナイトスクープ』ネタが個人的にはツボでした(笑)。
 タイトルバック賞も進呈(柴田剛監督!)。
5位『シェアハウスの恋人たち』
 主要キャスト3人が織り成す雰囲気がよかったです。
 

まつ5号

 投稿者:まつ5号  投稿日:2013年 5月14日(火)01時26分39秒
  1月期myベスト
1.まほろ駅前番外地      瑛太&龍平のコンビの雰囲気がよい。便利屋「依頼は、極力引き受ける」。6話・9~10話が好み。
2.dinner           江口料理長、厨房スタッフのメンバー色々あり面白かった。2話・4話が好み。
3.最高の離婚         瑛太が、とにかくしゃべるしゃべる。
4.メイドインジャパン     予告・1話見た時点では期待したが、短期(3話構成)で失速(脚本のせい?)。
5.ダブルフェイス(偽装警察編)昨年の潜入捜査編は、かなりよかった。今回もラストの意味を知り、無情を感じた。

予備
・信長のシェフ         現代のシェフが戦国時代へ!
・ビブリア古書堂の事件手帖   剛力は好みでないが、ストーリーは○

http://www005.upp.so-net.ne.jp/o-matsu/DO1301.HTM

 

1月期ベスト

 投稿者:デュアン  投稿日:2013年 5月10日(金)17時43分10秒
  今期はこれまでになく観たドラマが多くて、ベスト5ではありますが、とりあえずベストテンで選んでみました。
ただ、観た数こそ多いものの、これだ、という傑出した作品があるわけでもなく、1位の作品以外は、どんぐりの
せいくらべといった印象もなきにしもあらず。

1、「ラジオ」
……今期ダントツの珠玉作。観ている間ずっと気持ちが鷲摑みにされたようだった。
たとえ答えは見つからなくても、人は前に進むことはできる。そういう希望を感じた。
ラストシーン、前向きでありつつも、先に待ち構えている厳しい現実を見据えたかのような、
刈谷友衣子演じる「某ちゃん」のタフな表情が、今でも鮮やかに脳裏に焼き付いている。

2、「まほろ駅前番外地」
……「モテキ」とは正反対の脱力テンションが、独特の苦みと切なさをアピールしていて、
どのエピソードをじんわりと沁みてくるものがあった。サブカル的センスの良さも、秀でていた。
臼田あさみゲストのエピソードが白眉だったか。
深夜ドラマならではの良識に安住しない感じも、良かった。
引っかかったのは、主人公二人の関係性が今一つ見えにくかったこと。
二人を繋ぎ止める友情でも愛情でも打算でもいいのだけれど、そんなものがそれとなく
仄めかされる感じが欲しかったかな、と。

3、「いつか陽のあたる場所で」
……取り返しのつかない罪を犯した者が、罪を償いながら社会復帰に励む物語。
そういうわけで、実に重たい内容。
丁寧に作られてはいても、見ていて気分は重くなりがちで、これを観続けるのはしんどいなあ、
と最初は思った。
でも、毎回必ず気持ちを鷲摑みにされるようなシーンがあって、それで結局最後まで完走。
素晴らしいドラマだったと思う。
今期では1番役者の力を思い知らされたドラマといえるかも。
一つ難をいえば、上戸彩演じる主人公のありよう。
ホストにハマって、その片棒を担ぐ形で犯罪に走るのだけれど、そういう犯罪に至ってしまった
必然性が、今一つ弱い気がした。
犯罪を犯した上戸彩と、刑を終えて罪を償いながら生きる上戸彩が、一直線に結びつかないのだ。
もう一人の主人公、飯島直子の場合は、夫のDVから子供を守るためにやむなく夫を殺してしまった
過去と、現在がすんなり結びつくのだけれど。

4、「シェアハウスの恋人」
……片想い一方通行の変則的「三角関係」のドラマとしてなかなか面白かったのだが、その関係性
の決着のつけ方が何とも中途半端で、いいかげんに投げ出された感が否めず。
桜井の辰平への想いは、明らかにゲイ的な身体性を伴ったものだったのに(そうでなければいきなりキス
などしない)最終的に単にいい人だから惹かれたみたいな精神的なものにすり替えられてしまっていた。
そういう「詐欺」的展開に目をつむれば、共感できるキャラクターの魅力、3人の掛け合いの面白さは
ピカイチで、今期では1番素直に楽しめたドラマだったかな、と。
まあ、宇宙人の設定は特に必要なかったような気もするけど、それでも大泉洋ともたいまさこのやり取り
においては、最高に効果的だったとはいえる。

5、「純と愛」
……観終えた直後は、さしたる感動を覚えなかったけれど、時間が経つにつれて、じわじわとボディブロー
のように効いてくる感じがなきにしもあらず。
朝ドラのお約束をことごとく踏み外していった確信犯的な姿勢は、もっと評価すべきなのかもしれない。
印象的だったのは、例えば、純が父と死別するシーン。
死に直面することでやっとお互いに素直な気持ちを打ち明けられた(しかも間接的に!)二人。
あの二人を「和解」させるとしたら、確かにこれしかないというリアリティは、非常に説得力があった。
そこにほとんどカタルシスがないことにうんざりはするのだけれど、確かに訴えかけてくるものはあった。
会田誠は「『人を不快な気分にさせないこと』という制限を芸術に課してはならない」といったらしいが、
観る者をあえて不快にさせるエンタテインメントの在り方について、いろいろと考えさせられたドラマではあった。
あと、もう1つすごいと思ったのは、純が全くといっていいほど色気がなかったこと。
CMとかで観る夏菜はすごく可愛いのに、純は全然(というのは言い過ぎか)可愛くない。
この差異化は見事だったな、と。
それと、岡田惠和のラジオにゲスト出演した時に「夏菜、愛してるよ~」と恥ずかしげもなく叫ぶ遊川和彦
もやっぱり信用できる気はする、かな?

6、「泣くな、ハラちゃん」
……いってみれば、メタフィクション的ハートフル・コメディ。
虚構世界の住人が現実世界に飛び出してしまう、という設定の面白さもさることながら、そういう
虚構世界の住人を必要としてしまう主人公越前さんのダメダメなキャラクターがいい。
麻生久美子はまさにハマり役。
ハラちゃんを演じる長瀬智也もうまい。
岡田惠和の脚本はあいかわらずぬるいけれど、こういう設定だと、そのぬるま湯加減がむしろ心地よい
感じがあったりもする。
しかし、そのぬるさは、全10話を維持するだけのテンションを獲得するには至らなかった。
ロジカルな問題追求がどこかなおざりにされているという印象が拭えず。
具体的にどこをどうと指摘できないのが、何とも歯がゆいのだけれど。
逆にいうと、揚げ足を取られないほどよくできているということかもしれない。
でも、結局最後ハラちゃんは何で現実世界に留まろうとしなかったのか、今一つよくわからなかったかな。
でもまあ、自分が生み出したキャラクターを通じて生きる意味や希望を再発見するというのは、
フィクションへの愛が感じられて感動的だった。
虚構のキャラクターにイノセンスを投影するやり口は、ちょっとあざとい気はしたけれど。
あと劇中歌が最高だった。
あの歌詞には、ある意味今の日本人の無意識の本音のようなものが表現されていたような気もする(?)。
というか、そこに岡田惠和の本音を少なからず感じた。
自分が「ぬるい」と感じる部分の正体が表現されていた感じがあって、そこを斟酌すれば、全てに
納得がいくような気もする、かな?
戦わずに済むのなら確かにそれが1番いいわけだし。
綺麗に嘘をつく岡田惠和に対して、見え透いた嘘はつかない遊川和彦。
どちらに軍配が上がるのか、微妙なところではあるが、その対照的なありようは興味深い。

7、「ラスト・ホープ」
……基本的には医療ヒューマン・ドラマなのだが、先端医療を題材としたことで、従来の医療モノとは
一味違ったテイストが楽しめたかな、と。
個々のキャラクターも際立っていたし、医療の問題を絡ませながらうまくエンタテインメントに仕立てた
のは、なかなかのもの。
しかし、キャラクターの過去が頻繁に挿入されるのは、ドラマの緊張感を殺いでいた気がする。
メインキャラクター全員をいわくつきにしたのは、やり過ぎだったのではなかろうか。
全員がお互いに何かしら関わっていたという構造にも無理を感じた。
過去の因縁は主人公だけにとどめておいた方が、物語としてはすっきりしたのではないだろうか。

8、「dinner」
……オーナー兼シェフが倒れて窮地に陥ったイタリアン・レストランを救うべく新しいシェフが参上、
しかし、腕は確かだが、その傲岸不遜ぶりに店のスタッフは反発して、店はさらにシビアな状況に――
そんなゴタゴタを経て新たに店が立ち直るまでのドラマが、実にツボを押さえた作劇で、なかなか
「美味しい」エンタテインメントに仕上がっていたのではなかろうか。
特に新鮮味はないが、エンタテインメントしての完成度では、今期のドラマでピカイチ。
江口洋介、松重豊、ユースけ・サンタマリアといったキャストも、手堅くいい味を出していた。

9、「おトメさん」
……いわゆる嫁姑のモノのパターンをなぞりつつも、そこに事件を絡ませてサスペンス・タッチを加え、
最終的に家族の絆の危うさを炙り出す――という、一筋縄ではいかない凝った仕掛けのドラマだった。
最初と最後でこれほど印象が変わったドラマも珍しいかも。
登場人物は基本的にみんな駄目な感じであまり共感はできないのだけれど、その駄目さ加減が充分理解
できるリアリティがあるので、つい引き込まれてしまう。
家族の不確かさを描いたという点で、「家政婦のミタ」をかぶる感じがあるけれど、変に露悪的でない分、
こっちの方が深いかも。
何より最終的にこれといった救いを用意しなかったのが、すごい。
今期最大のダーク・ホースだったかも。

10、「メイド・イン・ジャパン」
……企業サスペンスものとしては手堅い出来で、企業の再生を巡っての様々な人間模様は見応えがあった。
ただ、いくら会長直々の極秘命令とはいえ、社長の意思とそぐわない業務は、もっと社内にいろいろな
軋轢を生むのではないかという気がした。
そのへんの社内の勢力争いみたいなものがもっと描かれていた方がよりリアルになったのではなかろうか。
結末で日中友好をアピールした点は、未来志向としての希望が感じられて良かったと思う。

(選外1)「ビブリア古書堂の事件手帖」
……人が死なないミステリーとして、ある種の安心感をもって見られるドラマだった。
それなりに独特の雰囲気も出ていたと思う。
しかし、三十分で済む話を一時間に引き延ばしているような間延び感は、少なからず感じた。
だから、今一つ手応えのないエピソードばかりだったような印象。
それでも最後まで付き合ったのは、本に関する蘊蓄が楽しかったから。
足塚不二雄(藤子不二雄)のデビュー作とか、江戸川乱歩の「押絵と旅する男」の幻の第一稿とか、
「時計仕掛けのオレンジ」の完全版とか、ネタ自体は、最高だった。
そういう意味では収穫の多いドラマだったな、と。

(選外2)「カラマーゾフの兄弟」
歴史的文学作品に臆することなのない作り手の気合いは感じられたけれど、安っぽいヒューマニズムを
ふりかざしてしまうあたりに、ドラマとしての解釈の浅はかさを感じないわけにはいかなかった。
家族の愛憎をテーマにしたミステリーとしては、1本筋が通っていたと思うけれど。
しかし、全般的に、センスがないという印象。
特に音楽の使い方はひどかった。
ストーンズもツェッペリンも、見事に外していた。
でも、ひょっとしたら、これはレコード会社による必死の売り込みの賜物なのかもしれない。
洋楽不況の中、ドラマで使用してもらうというのは、洋楽をアピールできる貴重な機会ではある。
そうだとしたら、洋楽ファンとしては、無下に否定はできないかも(?)

以上です。
集計の方、よろしくお願いします。
 

2013年冬ドラマ

 投稿者:ちえか  投稿日:2013年 4月28日(日)21時45分31秒
  1位 泣くな、はらちゃん
   ヒロインが愛する人に会う為漫画の世界に行く展開は始まった当初から
   予想はしていた。
   しかし、最終回の大人な決着なひとひねりは予想を超える展開で唸ってしまった。
   ひとりよがりでない熟考された展開。製作者と脚本家の熱い議論があったのだろう。
  「最後から2番目の恋」で描かれた志高いドラマ制作部は今の日テレにあるようだ。

2位 まほろ駅前番外地
   私も映画より面白かったと思います。毎回取り扱うしょぼい案件が愛おしい。
   お気に入りは秘密の蝋人形と出会い系サクラの話。
   次いで代行プロレスラーとキャバ嬢ストーカーの話。
   瑛太は台詞がウザい「最高の離婚」よりこっちの方がしっくりくる。

3位 純と愛
   私は少数派なのかもしれません。皆さんが指摘されるように酷い展開も認めます。
   私も年が明けてからの里や編になってから呆れることも多々ありましたが、
   それを補って埋めるだけの好きな部分も多い不思議な作品でした。
   事実、愛くんの話を中心としたオーサキホテル編は本当に面白かった。
   あそこで終わっていればよかったでしょうが、そこが朝ドラの鬼門。
   脚本家が越前さん状態で煮詰まってしまったようです。
   ただ、バッシングが集中しているラストですが、私はよかったと思う。
   あのラストで挽回で晴れてベスト3となりました。
   役者は本当に頑張ったと思う。特に風間俊介くんは脚本家の都合で
   支離滅裂なことさせられて必死に応えていたのが彼が出来る人だけに見ていて気の毒   だった。
   ここは岡田さんに番外編で「泣くな、愛くん」という作品を書いてもらいたい(笑)
 

1月期ドラマベスト5

 投稿者:khtatu  投稿日:2013年 4月23日(火)21時43分49秒
  1.NTV「泣くなはらちゃん」
最近ちょっと調子の出ない岡田さん。しかしこれは快作。現実と漫画の中、二層の話。そして矢口さん(矢東さん)の漫画の(ドラマの)登場人物の運命を握っているという話。岡田さんのメッセージということなのだろう。

2.NHK「ラジオ」
私としては快作と思う。実はなかなか描き切れないと思われるあの震災の一面を女子高生の目から描いたのでは。

3.NHK「メイドインジャパン」
振り、経過ともに面白いのだが。やはりあの結論は・・3回ではしょうがないにしてもちょっと予定調和かな。
迫田のメイドインジャパンは死んだという趣旨の発言(問題提起)の回答にはやや遠いかな。とはいえかなりのレベルの作品。

4.NHK「最終特快」
45分のスペシャルドラマ、こんなに短くても描くことはできるという好例かな・。

5.CX「ビブリア古書店の事件手帖」
あまりにも地味なんだけど、でもまあ個人的にはディープな文学ネタは面白かった。
剛力さんはこの手のやや病的文学少女お嬢様で安楽椅子探偵風なのは合わない。他に誰かいないのかなー。

番外
NHK「いつか陽のあたる場所で」
暗い話を、キャラで重くはなれない上戸彩さんに演じさせる・・。
まあだから最後まで見られたのかな。飯島さんのキャラは明るいというかちょっとやりすぎ感はあるけどな。シリアスなシーンではそれなりの演技だから好いのかしらん。


EX「相棒イレブン」
相棒が成宮さんと言うことになって、ドラマイメージが変わってきている。
潜入であるとか、被害者になってしまうとかは、寺脇さんを継いでいるように見えるけど、あいにく似て非なるということなのかな。

NHK「極北ラプソディー」
過疎の病院の経営の問題を描いたわけだが・・。やはり前後編と言うのは短いのか。描ききれてないのかな。好きな作品ではあるが。

NHK朝ドラ「純と愛」
これはひどい。何かきつい言葉を言えばドラマの質が上がると錯覚している。
ラストに行くに従って振りの回収が投げやりになる。明らかに脚本家の脱力。

 

2013年1月期ドラマベスト5

 投稿者:練馬  投稿日:2013年 4月22日(月)17時51分25秒
  最近はめぼしい連続ドラマが減っていて、ベスト5を組むのも難しい時があるのですが、今期はいいドラマが集まったと思います。とりわけ、『泣くな、はらちゃん』が圧倒的でした。マニアックなドラマと思っていたら、終盤には普遍的なテーマも提示され、スケールの大きな作品になっていました。映画の続編ということで、おまけ、ついでのような印象を持っていた『まほろ駅前番外地』は、むしろ映画以上の出来で、これも楽しみでした。ただ、かつてはドラマの両雄とも思えたTBSとフジテレビは、見る影もなくなっていたのは心配です。NHK『メイドインジャパン』は未見。機会があればチェックしたいと思います。


【連続ドラマ】
1:NTV『泣くな、はらちゃん』
表現者と作品の関係をメタフィクション的構造で描いた作品。民放の連ドラという枠でこの実験的な姿勢には驚き、断固支持! と思いました。一方でこれは作家固有の悩み、脚本担当の岡田惠和の個人的問題ではあっても、大多数の視聴者には縁遠い題材ではないかという心配もありました。

ところが、その見る者を限定する、偏ったともいえる題材が、シリーズ終盤には、社会とうまく接続できない個人が、フィクションを介して世界とつながろうとする、という普遍的なテーマにつながっていました。そしておバカな台詞として毎回登場していた「両想い」という単語が、最終回では作品のテーマを端的に表現する言葉になっていたのです。この展開には震えが来ました。何より、毎週毎週楽しかった。


2:TX『まほろ駅前番外地』
『傷だらけの天使』や『探偵物語』から、エロとバイオレンスを抜いて21世紀に再現したといった趣。何も松田優作のセガレにそれをやらさなくとも、とも思いましたが、オリジナルの「死」という、隠された(しかし重要な)テーマを回避してはいても、社会の枠から吹きこぼれた悩み・問題を、社会の余計者が解決するという枠組みは、今でも魅力的なのでした。この映画『まほろ駅前多田便利軒』(2011年)よりも良かったと思います。


3:EX『おトメさん』
黒木瞳扮する主人公が、嫁をアタマから毛嫌いしていて、いかにもなホームドラマならばともかく、他ならぬ井上由美子がそんな類型的な話を書くわけがないと思っていたら、最終回でみごとな着地。さーすが。主人公が真相を明かす回想シーンで描かれた姑の嫁いびりの台詞が、人間が人間を憎み、罵る言葉だったのですが、そういうネガティブな言葉であっても、ちゃんと納得させてくれたのです。

同じ時期に放送された某ドラマは、家族同士の醜悪な罵り合いを繰りかえした末、収拾がつかなくなって家族を死なせ、残った家族もなし崩し的に和解するという惨憺たる状態でした。何という落差。

ただ失礼ながら、キャスティングはいかにもテレビ朝日的な軽量級。演者が違っていたらもっと印象が違ったのでは…。


4:NHK東京『書店員ミチルの身の上話』
主人公が自分から積極的に行動せず、状況に流されてどんどん深刻な方向に追い込まれていく、その独特のふわふわした、あてどない雰囲気に惹かれました。ただ最終回は、あまりにもバタバタしていて、あれほどていねいに描かれていた、長崎に残された家族について言及がなかったり。もったいない。


5:NHKBSプレミアム『神様のボート』
少女漫画を読んでそのままの感性で大人になってしまったかのような人物の話。いくらなんでもーーと思っていたら、最終回で主人公の娘に「現実を見てよ」と言わせていたのにのけぞりました。作中人物がそれを言っちゃあおしめえよ…。

そんな、他愛のない話を、映像で確固とした世界を築き上げ、見るに耐えるものにしていたのは、さすが源孝志。つうか脚本もこの人が書いているんだから、もう少しなんとかならんかったのか、という話なのですが。まあ原作付きだからいたしかたないのでしょうか。


次:NHK東京『いつか陽のあたる場所で』
犯罪を犯して服役、出所した人の社会復帰の難しさを描いたシリアスな話。しかし上戸彩が演じると、どこまでやっても「上戸彩」でした。そのイメージのオブラートに現実の過酷さがくるまれてしまっているようで、いまひとつ緊迫感に欠けていました。刑務所仲間の飯島直子の演技もまた、漫画的に見えてしまって…。

ただこのメイン二人が醸し出す絵空事っぽい雰囲気は、一種の寓話を目指しているともとれます。シリアスな題材とファンタジーのような手触りという組み合わせに、時々鼻白むことはあったけど、いやではなかった。リアリズムで描いたら、ほんとうに辛い話になってしまうだろうし。むしろ思ったのは、何をやっても自分の色に染める上戸彩って、ほんとにアイドル、「スター」なんだなあということでした。



◎その他の作品。
TX『ミエリーノ柏木』
別れさせ屋の柏木由紀・今野浩喜(キング・オブ・コメディ)・佐野史郎が依頼を引き受け、なんとなくゆるゆると活動を始める。依頼内容について意見を言い合ったり、ターゲットを尾行したりするごとに、今野と佐野が「恋愛経験に乏しい」柏木由紀に、恋愛について、意味ありげな、ときにアフォリズムを思わせる台詞で教え導く。そのうち、依頼人の男女関係が思わぬ地点に落着するーー物語性が希薄なようでいて、意表を突いた展開が、最初の数回は魅力でした。

ただシリーズ後半、その展開の意外性が薄まったように思います。柏木由紀のスケジュールの影響なのか、後半になってトーク部分が増え、話も一話完結しなくなって、密度が落ちてしまったのです。いま振り返れば、意味ありげな会話が虚仮威しにすぎなかった回もけっこうあったと思い当たります。残念。


CX『カラマーゾフの兄弟』
最近失速気味とはいえ、こんな企画を実現してしまうところはさすがフジテレビ。ただ、父親役がたんなる悪党にしか見えないのにはひっかかりました。この「父」はいわば世界の比喩でもあるのだから、渡辺謙とか役所広司とか、そのくらいの人にやってほしかったな。


CX『ビブリア古書堂の事件手帖』
原作もそうだからしかたないですが、本が題材なのに所収者のゴシップばかりが俎上に上がるのにイライラ。内容はほぼエンドロールで紹介されるだけの回もありました。当方が勝手に、ボルヘスみたいに、題材になった本の世界を取り込んで、広い空間を作り上げてくれるのか、と無い物ねだりしていたのが悪いのですが。

篠川栞子を演じた主演女優の台詞回しにもひっかかりました。謎の解明は当然長台詞なのですが、明らかに日本語としておかしなアクセント、イントネーション。そういう箇所にでくわすたびに興ざめしてしまいました。

恋愛ものとしては、本が読めない体質の助手の五浦大輔が栞子に、本が読めるよう努力していきたい(栞子が好きな世界のことを理解したい)と打ち明けるシーンが印象的でした。近年のドラマではめずらしい素朴な、しかし新鮮な「告白」だったのでは。


TBS『とんび』
同じ原作を前の年にNHKでドラマ化したばかりなのに、また? という感はぬぐえませんでしたが、実際は心配していたほどひどい出来ではありませんでした。ただ、連ドラとして10話以上話をひっぱるためにはしかたなかったのかもしれないけど、泣きが多すぎ。息子が語り手で故郷の親のことを、(泣かせようという意図があからさまな語り口で)回想するというこの枠組み、前にも見たなと思ったら、『東京タワー』でした。他局がやったばかりのドラマを再映像化というだけでもかっこわるいのに、ドラマの枠組みが先行作を連想させるというのも、なんだかなあ。


NTV『シェアハウスの恋人』
日常べったりの内容に、「住人の一人が宇宙人」という設定は、いくらなんでも合わない、どう収拾をつけるんだろう、と心配していたら、ずっと日常の枠に収まる物語に終始。宇宙人らしい能力は、股間が光るだけ(!)。結局、帰還用の宇宙船もはっきりとは出さずに、宇宙に帰っていって終わり。ーーと思ったら、「宇宙人」がすぐに戻ってきて(しかもその理由が「故郷の人と長く離れていたので合わない」から)、また生活が続くという、人を喰ったオチでした。ものすごく面白かったわけではないけど、あまりのユルさ・ばかばかしさに、まあいいかと許せてしまう。そんなドラマでした。


『火怨・北の英雄 アテルイ伝』
ストーリーがあまりに飛び飛びで、大河ドラマの総集編のよう。もしかしてすごい実験作だったりして。


NHK東京『八重の桜』
主人公があまり出てこないと評判が悪いようですが、主演女優に大河ドラマではひさびさのスケールの大きさが感じられるので、私は良しとしています。



【単発ドラマ】
NHK「ラジオ」
東北の大震災の被災地を舞台にしたドキュメンタリータッチのドラマといえば、前年放送の「それからの海」。虚実の境を極限まで突き詰めた先行作があるので、どうしても、二番煎じ、ヌルいものと思えてしまいます。

語り口もゆるくてヌルかった。ドラマの中で何が起きて登場人物がどう思ったかが、ぼんやりしているのです。あたかも、十代の女の子が書くポエムみたい。これは、地震で受けたショックから立ち直れずにいる主人公の女子高生(刈谷友衣子)の内面に映った世界を映像にしている、ということなのでしょう。

しかし主人公は、周囲の人々やコミュニティFMを通して出会った人との体験を通じて、徐々に他者と関わる力を獲得していきます。やがて進学を決意し、東京行きのバスに乗る。車中、自分が関わった番組を聴いていると、スタッフやリスナーが励ましのエールを送る。そして、主人公がリスナーと結びつくきっかけの曲・THEイナズマ戦隊「応援歌」もかけてくれる。曲が佳境に入り、主人公は聴き入りますが、突然音声が切れてしまう。画面も砂嵐の状態になる。バスがコミュニティFMの聴取可能エリアを越えたのでした。数秒ののち、エンドロールが始まります。

ふわふわしていたドラマに一挙に現実感が押し寄せてきます。主人公が人と出会い様々な経験を経て成長し、これから現実と向き合っていくことを表現したのでしょう。作品の大半を占めるふわふわ語りはやはりもどかしいのですが、この終わり方のためと思えば納得させられます。


TBS「ダブルフェイス」
身も蓋もない言い方をすれば「インファナル・アフェア」を見ればいいじゃないか、ということになってしまいますが、現代の横浜を舞台に、かなり忠実にオリジナルを再現しようとしたその熱意は買い。個人的には、蒼井優演じるヒロインが、ガルシア=マルケス好きという設定がツボでした。


NHKBSプレミアム「ただいま母さん」
櫻井智也作。意外な闖入者がじつは…という設定は目新しいものではないですが、終盤であらわになる「悲しみ」はこの作品固有のもので、今日的とも感じました。南果歩、永山絢斗、甲本雅裕、草刈正雄四人のアンサンブルも見応えあり。



【部門賞】
◎主演男優賞:長瀬智也(泣くな、はらちゃん)
『マイボスマイヒーロー』の時だったか、長瀬くん自ら「バカの役だったら誰にも負けない」と豪語していましたが、今回もまさにその通りでした。ほかに瑛太(まほろ駅前番外地、最高の離婚)。


◎主演女優賞:麻生久美子(泣くな、はらちゃん)
越前さん! ほかに戸田恵梨香(書店員ミチルの身の上話)。


◎助演男優賞:松田龍平(まほろ駅前番外地)
父ちゃんのモノマネのようにも見えますが、「行天」の醸し出す雰囲気は魅力的でした。ほかに野村宏伸(とんび)。


◎助演女優賞:薬師丸ひろ子(泣くな、はらちゃん)
矢東薫子先生! ほかに相武紗季(おトメさん)。


◎新人男優賞:中川大志(夜行観覧車)
『家政婦のミタ』のころからすると、ずいぶんうまくなったなあ。ほかに今野浩喜(ミエリーノ柏木)。


◎新人女優賞:刈谷友衣子(まほろ駅前番外地、ラジオ)
それぞれ難しい役柄をきちんと演じ分けていたと思います。『メイドインジャパン』は未見。ほかに杉咲花(夜行観覧車)。「この子がまさか」の積木くずしな役にびっくり。


◎主題歌賞:はらちゃん(長瀬智也)「私の世界」(泣くな、はらちゃん)
本当は悪魔さん(忽那汐里)の曲「初恋は片思い」がオリジナルで(笑)、替え歌に過ぎないのですが、私が好きなのは越前さん作詞のこちら。

「世界中の敵に降参さ 戦う意志はない」。いやー、この後ろ向きな歌詞、すばらしい。ヒップホップのポジティブな側面から妙なかたちで影響を受けた、気持ち悪い自己肯定や無責任な人生応援歌があふれかえって久しいですが、「私の世界」はそんな楽曲への痛烈な批判にもなっていました。

毎回『はらちゃん』が終わると、コンビニに行っていたのですが、気が付くと、夜道でこの歌を口ずさんでいました。
「だからお願い関わらないでそっとしといてくださいな だからお願い関わらないで 私のことはほっといて」
しかも歩行の速度に合わせて、マーチになっていたという。歌詞の趣旨に合わないポジティブなリズム。こんな不気味なことを毎回繰り返し(笑)。もしもカラオケに入っていたら、絶対歌います、わたくし。


◎タイトルバック賞:『まほろ駅前番外地』【OP】
担当は柴田剛。ドラマ開始前の番宣でメイキングを見たら、商店街で主人公二人に正面を向いたまま後に歩かせて、あとで映像を逆回しにする(二人はぎこちなく歩いていて、他の人が後ずさりしているように見える)という手法だったようです。アナログって、面白い。


◎企画賞:河野英裕(泣くな、はらちゃん)
民放ゴールデンタイムの枠で、メタフィクションなどという試みを、よくぞやってくれました。


◎脚本賞:岡田惠和(泣くな、はらちゃん)
創作者と登場人物、作品の関係という、作家と作家志望者、研究者、そしてマニアにしか興味が持てないような題材。それを、生と死、戦争、災害、飢餓が絶えない世界の意味、人間が社会のなかで生きていく勇気をもつ方法、そんな普遍的なテーマに広げた手腕はすばらしいものでした。圧巻は「両想い」という台詞の使い方。秀作『最後から二番目の恋』よりもさらに進化・深化していたと思います。

また、同時期に放送された某ドラマには、かつて岡田氏が『最後から二番目の恋』で婉曲に批判した(ように受け取れた)作家からの反論のような描写がありましたが、それへのみごとな再反論にもなっていた(ように受け取れた)ことも、忘れられません。


◎演出賞:源孝志(神様のボート)
話は少女漫画的感性のまま大人になった女性のおとぎ話でしたが、そんな絵空事を映像の力で鑑賞に耐えるものにした手腕は、さすが『マイリトルシェフ』「温かなお皿」の脚本&演出家。


◎ベスト台詞賞
「世界と両想いになってください」(『泣くな、はらちゃん』最終話)
はらちゃんが毎回繰りかえして言っていた「越前さんと私は両想いですね」というおバカな台詞が、最終回のこの台詞によって、作品のテーマを端的に表現する言葉になっていました。この組み替えには、脱帽、♪降参します~♪


◎ワースト作品
NHK大阪『純と愛』
韓国映画で『グッド、バッド、ウィアード(いい奴、悪い奴、変な奴)』というのがありましたが、このドラマの家族は、ダメな奴、イヤな奴、バカな奴。この共感しがたい奴らが、しょっちゅうもめ事や厄介事を起こしては罵り合い、責任を押し付け合う。そんなけたたましい話でした。

放送開始前、この作品の脚本家が、登場人物が助け合って幸せになるという朝ドラの定型を壊す、という趣旨のことを言っていました。そんな破壊に意味があるとは思えませんが、仮にあったとして、ドラマであるならば、そんなエゴむき出しの登場人物たちが、和解するにせよ別々の道を進むにせよ、そこまでの過程を納得のいくものとして描くのが最低限の義務であるはずです。

ところが後半、家族でいちばんエキセントリックだった父親(武田鉄矢)が、何の変化もないまま溺死し、それ以降、合理的な説明もなく家族が主人公に協力的になってしまいます。一昔前までは、家で不要になったものを川に捨てる人がけっこういましたが、このドラマも収拾つかなくなった展開のため、不要になった登場人物を、まさに水の中にたたき込んだわけです。朝ドラに変革を起こす、画期的なドラマを描くといいながらも、結局やったことは、登場人物をゴミ扱いすることだけ。

また、愛の「人間の本性が見える」という設定が、いつのまにか「思っていることが聞こえる」にすり替えられていました。それからは、純が考えなしに行動して引き起こした難局を、愛がトラブル相手の心を読んで、全て解決してしまうようになっていきます。それでいながら、時々はなぜか心を読まないこともあるという不自然さ。

父の急死以降も、純が何かするごとに不幸がそれを帳消しにする繰り返しで、最後に、誰もいない草原で、純が急に他の人物(ダメな奴、イヤな奴、バカな奴)へのリスペクトを表明し、彼らのようになりたいと虚空に向かってアジテーションしてエンド。なんじゃこりゃ。『藍より青く』以降朝ドラを見てきましたが、最低最悪の作品でした。

ところでこのドラマの脚本家は、前年放送の某ドラマで遠回しに批判されていました。『純と愛』には、それへの意趣返しのような節が随所に感じられたのですが、結局遠く及ばずといった感がありました。
 

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